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宗像 伸子
女子栄養短期大学専攻科卒 管理栄養士
半蔵門病院栄養部顧問
主な著書:
「NHKきょうの料理 家族のヘルシー食卓シリーズ」海竜社
「たっぷりおいしく野菜料理ダイエット」海竜社
 
宗像伸子先生
ポテト料理から漂う温かい食生活
世界的に見たとき、日本人のじゃが芋の摂取量は少ないほうに属します。世界でトップクラスのじゃが芋好きな国は、中央アジアなどで、1日に300〜500グラムもとります。アメリカ人は180グラム、中国人は90グラム程度ですが、日本人はさらに少なくて1日に約65グラムです(半個くらい)。じゃが芋から期待できる栄養素は、ビタミンCや食物繊維、カリウムなどです。ビタミンCはコラーゲンの生成に不可欠なものです。細胞の接着剤として、丈夫な血管や皮膚、粘膜などを強くします。また、肌のしみを防いだり、風邪やがん予防などいろいろな効果があります。じゃが芋に含まれるビタミンCは、緻密な澱粉質におおわれているので加熱による損失が少ないのが利点です。食物繊維は現在、ほとんどの人が不足の状態にあります。この効用は、血糖値の上昇を緩やかにする、便通を整える、余分なコレステロールの排泄、有害物質などの排泄、満腹感を得やすいため減量中の人に有利などがあります。カリウムは、ナトリウムとともに水分を引きつけて細胞内外液の浸透圧を維持します。ナトリウムのとり過ぎは高血圧を招きます。カリウムにはナトリウムの排泄を促して血圧を下げる作用があります。また、筋肉の動きをよくするなど、不足に気をつけたいミネラルです。じゃが芋を食べない家庭は、手作りおかずが少ない傾向があるといえるかもしれません。じゃが芋は、すぐに火が通る食材であり、数えきれないほど料理のレパートリーがありますが、調理をしつけない人には、手間のかかる食材に思えるようです。そのせいか、できあいのお弁当やお総菜を利用する人には、もっとも縁遠い食材になりがちです。見方を変えると、じゃが芋をよく使う家庭は、ぬくもりがあり、家族のコミュニケーションが密な家庭といえます。家族のために加熱調理をしようと思う人には、家族への思いやりとゆとりが感じられます。お芋などの煮物からたちのぼる香りは、家中に広がり、食事時刻が近いことを知らせます。「もうすぐ食事だ」という期待が家族の心に生まれます。こういう家庭には団らんがあり、家族同士のいたわりがきっとあるでしょう。それが心の安らぎを招き、ストレスを緩和し、免疫力を高め、生活習慣病への予防効果も高めます。生理的にも、食物繊維が便秘を予防しますから、心身ともに健康な環境を生み出します。じゃが芋は、安らかな家庭と健康のシンボル的な食材といって過言ではありません。いま、日本人の心身の健康向上のためには、もっとも活用したい食材の1つがじゃが芋です。
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