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シカゴ在住
なっちゃんの最新ポテト事情

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アメリカ南西部のイリノイ州最大、世界有数の都市、シカゴ。高級レストランからカジュアルファストフードに至るまで独特の発展を遂げている都市で、スタッフドピザやサンデー発祥の地、最大手のファストフードチェーンの1号店が誕生した場所としても知られています。当コーナーでは、シカゴ在住の筆者が現地の人気店をレポート、日本人の2倍以上のポテトを食べているアメリカ人のポテト事情をリアルにお伝えします。

シアターフーズ
映画鑑賞と食事を楽しむ“Dine-In”

アメリカ発、映画鑑賞の新スタイル

 一昔前のアメリカでは、サンクスギビングデーの翌日に家族で映画を見に行くのが恒例だった。今でもなお映画はアメリカ文化の象徴で、映画館ではポップコーンとコーラを買い、声を上げて笑ったりヤジを飛ばしたりする姿が健在だが、アメリカ人の映画館に行く頻度は確実に減っているという。その背景には、映画制作費が高額化とともに映画チケットも高くなり、一般市民を映画館から遠ざけることになってしまったことがある。しかも2000年以降はレンタルDVD宅配サービスや映画スクリーミングサイトが台頭し、今では約60%のアメリカ人が映画館には全くいかなくなったという調査結果もあるそう。そのなかで、アメリカの映画館業界で注目を浴びている新しい試みが“Dine-In”だ。映画を観ながら本格的なレストランと同等の料理を楽しむという、家ではできない映画館体験が人気を呼んでいる。

映画と楽しむポテトメニュー


 この“Dine-In”を作ったのは、アメリカの映画館業界第2位にあるAMC THEATERである。シカゴのダウンタウンの真ん中に位置した好立地と、料理、サービスの質、ドリンクの品揃えが好評価を獲得した。
 メニューは熱々のポテトと薄切り牛ステーキにグレービーソースを添えたプーティン(写真上)や、粗くおろしたポテトを一口大のフライにしたテイタートッツとベーコンをチーズソースで和えたローディッド・トッツ(写真下)、チキンテンダープレートなど。実際に食べてみたが、食べやすくて美味しいものが多かった。
 一方、通常の映画館のスナックと言えば、ポップコーンや、プレッツェル、チーズスティックにチキンテンダーなど。価格は$6~9と決して安くもないが、若干値が張っても、自前で持ち込まずに食を楽しめる“Dine-In”はなかなか好評のようだ。

“映画館で食事”はトレンドとなり得るか?

 また“Dine-In”は、施設やサービスも工夫が凝らされている。自慢のシートには二席に一つの割合で呼び鈴とケチャップが供えられ、上映中でも他の観客に迷惑をかけることなくオーダーすることができる。一つひとつの劇場が小さく、サービス担当者が動き回りやすいように幅が広く、プライバシーがしっかりと守られているのも人気の要因だろう。客層はミレニアルズ(1980~2000年代に生まれた世代)が中心だ。彼らの「食事にお金を費やすのを厭わない」という思考行動パターンとマッチしたコンセプトが新しいマーケットにつながったようだ。とは言うものの、暗い中で料理を食べることに不慣れで、食事のマナーを大切にし、料理の見た目も料理の一部としてとらえる日本人にとっては評価の分かれるスタイルかもしれないが、映画と食事と同時に楽しむというアイデア自体は今後の展開が期待される。

なっちゃんのプロフィール

日配やオンライン通販など食品カテゴリーの営業を経て、業務用食品の営業、マーケティングを経験。現在はフリーランサーとしてアメリカフードサービス業界の情報を発信している。

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