ポテトの栄養

栄養と健康について

赤・黄・緑! 信号ではありません

人間の体に必要な5大栄養素

数多くある栄養素の中で、たんぱく質、脂質、炭水化物(糖質)、ビタミン、ミネラルの5種類を「五大栄養素」といいます。
どれも人間の体にはなくてはならない栄養素ですが、更に体に作用する機能別に赤・黄・緑と色別されます。

イラストby wakamemoさん


赤色のグループ

主に体を作るもとになります。
・たんぱく質→肉や魚、卵などの動物性食品が 中心で、植物性の大豆とその加工品も含まれます。
・ミネラル→乳製品や海藻類、きのこ類など。


黄色のグループ

主にエネルギーのもとになります。
・炭水化物→穀類、いも類、砂糖など。
・脂質→植物性油脂、動物性脂肪など。


緑色のグループ

主に体の調子を整えるもとになります。
・ビタミン→緑黄色野菜、淡色野菜、果実類、いも類など。
・脂質→植物性油脂、動物性脂肪など。

実は誤解されがちなポテトの栄養

ポテトはヘルシーな食材

五大栄養素の説明からも分かるように、ポテトには炭水化物食品のエネルギーのもとになる機能があります。また、豊富な栄養素を含み、体の調子を整える機能を併せ持ちます。更に低カロリーで食物繊維も豊富なので、生活習慣病を防ぐヘルシーパワーに溢れた健康食品の代表といえます。

低カロリー

ポテト1個(約148g)は110kcalで、同量のご飯(精白米)の約半分。

豊富なビタミンC

かんきつ類にも匹敵するビタミンCの含有量で、1日の必要摂取量の30%がポテト1個(約148g)で摂取が可能※。しかもポテトのビタミンCは加熱しても壊れにくいです。

豊富な食物繊維

ポテト1個に2gの食物繊維を含み※、腸内の消化を助け、脂肪の吸収を防ぎます。水分で膨張するので、食べ過ぎ防止もサポート。

豊富な炭水化物

日々の活動のエネルギー源となり、腸内の栄養素の吸収効率を上げます。

豊富なカリウム

ポテトは「カリウムの王様」。カリフラワーやバナナよりも多く含まれ、余分な塩分の排除をサポート。

ポテト1個は約148gと1食で十分に食べられる量であり、
毎日摂取することにより、バランスのとれた食生活を可能にします。

ポテトの意外な特徴

生命維持活動にとって欠かせないカリウム

カリウムの量は豊富で「カリウムの王様」といわれています。
ポテトはバナナ、ブロッコリー、キウイフルーツ、大豆等よりカリウムを多く含んでいて、次の様な役割をしています。

カリウムはナトリウムとともに細胞の浸透圧を維持調整する働きがあり、生命維持活 動の上では欠かせない役割を担っています。
カリウムはナトリウムの排出を促して血圧の上昇を抑える働きがあり、高血圧の予防 や筋肉の収縮をスムーズにする働きがあります。

※ 中サイズの皮つきポテト1個(約148g)のカロリーは110kcalでバナナ1本分よりもカリウムが豊富(620mg)
※ データ出典:FDA(米国食品医薬品局)

ポテトの持つ二つの顔

穀類の顔⇒栄養成分が米に似ています。
主成分がデンプン → 手軽に摂取できるエネルギー源です
味に癖がない(淡白・美味) → 主食として位置付けすることが出来ます
野菜の顔⇒ビタミン・ミネラルを多く含んでいます。
カリウムが豊富、ビタミンCが豊富 → 食物繊維も期待できます
副菜の材料として便利に使える → 料理法も多彩です

ポテトが低エネルギー(カロリー)食品といわれる理由は次の通り。
・ポテトは水分(80%)を除くとほとんどは炭水化物(約18%)
・炭水化物の約90%は多糖類のデンプン・エネルギー食品です。

ポテトは腹持ちが良いところから(満腹感) → 高エネルギー(カロリー)食と考えがちですが、可食部100g当り(生)は、76kcalと低エネルギーになっています。

(参考)100gのエネルギー量
ごはん:168kcal
食パン:264kcal

ポテトのカロリーは、ご飯の1/2・パンの1/3。
ポテトはエネルギーとなるデンプンと野菜のビタミンCを併せもち、お米やパンと同じ
量を食べても満腹感・カロリーに優れたダイエット向きの食材と言われる由縁です。

PROFILE

鈴木 章生(すずき あきら)
管理栄養士・服部学園食品学教授

学校法人服部栄養専門学校を卒業後、服部学園に 入社。食品学の教授として長年生徒を指導し、講演会の講師としても活躍。その他ラジオ、TV等にも出演し、「職場で働く人のための健康法」・「上手に調理するために」「事業所給食運営クリニック」等の書籍も手掛けています。